葬儀での過激な照明演出は可能でしょうか？

Question

父はイベントの演出を手がける仕事をしており、派手で斬新な照明やレーザー演出を好んでいました。葬儀でも、いつもステージを彩っていたように、会場の照明を暗くしたうえで赤いレーザー光を使うなど、故人らしい“劇場型”のお別れを演出できないかと考えています。

具体的には、

・通夜・告別式の儀式中に暗転を挟んで雰囲気を切り替える
・焼香後やお別れのスピーチ中にレッドレーザーの光線を走らせる
・参列者の視線を誘導する動きのある照明プログラムを組む

といったアイデアです。一般的な葬儀場や寺院でこれらを取り入れることはマナーや安全面で問題ないでしょうか？もし難しい場合、故人の演出好きを反映できる別のアイデア（控えめなライティング／間接照明など）があれば教えてください。どなたか実例や経験談をいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

吉田一海（東京葬儀） · Accepted Answer

お父様が愛された“ステージ映えする演出”を葬儀にも取り入れたいというお考え、故人らしい温かいお別れの場づくりに共感します。一方で、葬儀会場は宗教的・安全的配慮が求められる厳粛な場でもありますので、以下の点をご検討ください。

＜会場・式場規程との調整＞
多くの葬儀ホールや寺院では、火気・煙・強い光（レーザー）に関する規制が厳しく、設備や使用許可が限定されます。まずは担当葬儀社を通じて、式場管理者やご住職に「照明プラン」をお示しのうえ、持ち込み・使用可否を確認しましょう。

＜安全性・視覚的配慮＞
赤いレーザー光：目に直接当たると視力障害の恐れがあるため、業務用レーザーの持ち込みは原則不可です。例外的に、レーザー照射の種類（クラス1などの非常に低出力）や照射範囲を限定できる専門業者と協議できれば、会場許可が下りる可能性はありますが、極めて稀です。

暗転演出：照明を落とすと高齢の方やお子様がつまずく危険があります。必ず十分な非常灯や足元灯を残したうえで、演出用の照明専門業者がプログラムを組む必要があります。

＜おすすめの代替案＞
間接照明・色温度調整：式場のスポットライトやLED照明に赤みのあるカラーフィルターをかけ、温かみのある赤いトーンで祭壇を照らす。光量を抑えつつ、赤い雰囲気を演出できます。

プロジェクションマッピング：小型のプロジェクターで、星空や森の映像を祭壇背後に投影し、父が愛した自然のイメージを表現。レーザーの代わりに動きのあるビジュアルを取り入れられます。

赤いキャンドル・LEDキャンドル：火気を伴わず、安全に赤い炎の色調を楽しめる電池式キャンドルを祭壇や会場に配置する方法もあります。

＜事前リハーサルの実施＞
演出の当日ミスを防ぐため、必ず通夜前にリハーサルを行い、照明演出のタイミングや明暗バランス、客席の見え方を確認してください。葬儀社が演出業者と連携し、司会進行やご住職の読経タイミングと照明切り替えを合わせることで、違和感なく演出を進行できます。

葬儀での過激な照明演出は可能でしょうか？

吉田一海（東京葬儀）