神式の葬儀をする時の注意点、葬儀社の探し方は？
大切な人を失った時、その葬儀の手順やマナーについて悩むことは少なくありません。特に、神道の葬儀を行ったり参列することは多くなく、初めて経験する方には戸惑うことも多いでしょう。
この質問では、神式の葬儀の特徴や手順、マナーについて詳しく解説します。
神式の葬儀の特徴
神式の葬儀の特徴をご紹介します。
神道における葬儀の意義
神道では、亡くなった人は子孫を見守る存在になると考えられています。また「死」は穢れとされています。死の穢れを清めて故人を家の守護神としてまつるのが神道の葬儀です。
行う場所
神道の葬儀は基本的に自宅や斎場で行われます。
仏式の葬儀はお寺で行われることも多いですが、神道の葬儀が神社で行われることはほとんどありません。神式では死を穢れと捉えているため、穢れを神聖な神社に持ち込まないという理由からです。
神葬祭の流れ
神式の葬儀「神葬祭」は次のような流れで行われます。
帰幽奉告（きゆうほうこく）
自宅の神棚や祖霊舎に、家族が亡くなったことを奉告し、死の穢れから守るために扉を閉じて白い半紙を貼って封をします（神棚封じ）。
枕直しの儀
故人の身体を清め、白小袖を着せて北枕に安置します。枕元には水・塩・故人の好物などを供え、守り刀を置きます。
納棺の儀
故人を装束に着替えさせ棺に安置します。棺の蓋を閉めたら白布を掛けて合掌します。
通夜祭
神職が祭詞を奏上し、参列者は玉串を奉って礼拝します。
遷霊祭
神職が故人の霊を霊璽（御霊代）に移します。仏式の位牌に当たるものです。
葬場祭
仏教でいう葬儀・告別式に当たる儀式で、弔辞・弔電・祭詞奏上・玉串奉奠などを行い、終了後に出棺します。
火葬祭
火葬場で神職が祭詞を奏上し、参列者は玉串を捧げます。
埋葬祭
遺骨を埋葬する儀式。現代では忌明け（五十日祭）に埋葬することが多いです。
帰家祭（きかさい）
葬儀後に自宅へ戻り、塩・手水で清めた後、無事終了を霊前に奉告します。
神葬祭のマナー
神葬祭には仏式の葬儀とは異なるマナーがあるので、確認しておきましょう。
玉串奉奠
神葬祭独自のしきたりで、榊の枝に紙垂を付けた玉串を霊前に捧げます。二礼二拍手一礼（しのび手）で拝礼するのが基本です。
参列時の服装と持ち物
服装は仏式と同様に喪服を着用しますが、数珠は不要です。派手なアクセサリーは避け、髪は清潔に整えます。
香典
金額は仏式と同等が目安。表書きは「御霊前」または「御玉串料」を用い、蓮やユリの絵柄は避けます。
言葉遣い
「お悔やみ申し上げます」「冥福」「成仏」は使わず、「御霊の平安をお祈りいたします」など神式に適した言葉を用います。
神式の葬儀後の供養
仏式では四十九日などがありますが、神式でも葬儀後に供養を行います。
五十日祭
亡くなって50日目に行う儀式で、霊体を家の守り神として迎え入れ、これを忌明けとします。
百日祭
亡くなって100日目に行う儀式。省略して身内だけの供養とする場合もあるため、親族と相談します。
式年祭
仏教の年忌法要に相当し、1年祭・3年祭を大きく執り行い、その後5年・10年・50年などの節目に祭儀を行います。
神葬祭に対応している葬儀社の選び方
多くの葬儀社が神葬祭に対応していますが、経験の豊富さ、スタッフの対応、費用の説明のわかりやすさなどで選ぶと安心です。付き合いのある神職がいない場合でも紹介してくれるケースが多いため、相談してみましょう。わからない点は「葬儀の知恵袋」で質問するのもおすすめです。
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